電子署名を確認する

電子署名を確認する

 紙の契約書の場合、相手がきちんと署名捺印しているか確認するのは当たり前のことです。電子署名の場合でも、相手がきちんと電子署名しているか確認するのは、重要なことです。紙の契約書で捺印を確認するように、電子署名の場合も、署名を確認するようにしてください。
 紙の場合、目に見える形で署名捺印されているので確認は容易ですが、電子署名の場合は文面を見るだけでは確認することができません。 印影や、署名情報が文面に書かれていても本当に署名されているのかどうかはわかりません。電子署名はどのように確認すれば良いのでしょうか。
 ここでは、もっとも普及しており「みんなの電子署名」も採用しているPDFファイルでの電子署名の確認方法について説明します。

「みんなの電子署名」の場合
 「みんなの電子署名」では、利用者全員が会員です。このため、わざわざPDFファイル内の電子署名を見なくても、文書の付属情報を見れば、誰がいつ署名した文書であるか簡単に確認することができます。以下の説明は、参考までにご一読ください。

会員登録していない他のサービスの場合
 会員登録していない他の電子署名サービスの場合、手元にあるのはPDFファイルだけです。以下の方法で、PDFファイル内の電子署名をご確認ください。

 PDFファイルの電子署名は、一部だけしか署名していない途中段階でも、全部の署名が完了した段階でも、同じ方法で署名を確認することができます。
※「みんなの電子署名」では、一部だけしか署名していない途中段階のファイルはダウンロード出来ません。

文書のダウンロード

 「みんなの電子署名」では、署名が完了した文書は、「文書」「保管庫」に「完了」文書として保管されています
保管庫  それでは、保管庫にある文書の電子署名を確認してみましょう。表示されている一覧から文書名「秘密保持契約」をクリックすると、以下のような文書情報の画面が表示されます。
文書情報  署名の部分を見てみると、

  株式会社マイカンパニー 代表取締役 署名 太郎
  ガイブ株式会社 代表取締役 外部 太郎
のお二人が署名されていることが分かります。
署名状況  ではPDFファイルそのものには、どのように電子署名の情報が書かれているのでしょうか。文書をダウンロードして確認してみます。
ダウンロードするには、画面の左下にある「ダウンロード」ボタンを押してください。
ダウンロード

【試してみてください】
説明で使用している、署名前のPDFファイル「秘密保持契約(署名前)」と
署名済みのPDFファイル「秘密保持契約(署名済み)」を、下記からダウンロードできるようにしてあります。
ぜひダウンロードして、実際に署名を確認してみてください。
秘密保持契約(署名前)
秘密保持契約(署名済み)

署名を確認する

 「みんなの電子署名」での電子署名は「不可視署名」と呼ばれ、文書の文面上では見えません。 「Adobe Acrobat Reader」でPDFファイルを開くと表示される「署名パネル」から署名を確認することができます。

あらかじめ以下のリンク先からAdobe Acrobat Readerをダウンロードし、インストールしてください。       
Adobe Acrobat Reader
 (外部のサイトが開きます。)

 ダウンロードしたPDFファイル(「秘密保持契約」)をAdobe Acrobat Readerで開くと、文面の上と左側にメニューが表示されます。
秘密保持契約  署名パネルの内容を見るには、上の「署名パネル」ボタンか、左にある「ペン」のアイコンをクリックします。
署名パネルを開く  この文書の電子署名の一覧が表示されます。
署名パネル  「バージョン」と書かれたものが電子署名で、署名された順番に1、2、3と3つあります。

 この「秘密保持契約」の場合、署名したのは

  株式会社マイカンパニー 代表取締役 署名 太郎
  ガイブ株式会社 代表取締役 外部 太郎
の二人なのに、電子署名が3つあるのは、タイムスタンプ局の署名が最後に付いているためです。
(タイムスタンプ局の署名が追加されている理由は、 「長期署名」 でご説明します。)


 最初の署名を詳しく見てみましょう。「バージョン1」の上で右クリックし、「署名のプロパティを表示」を選んでください。

署名のプロパティを表示  署名のプロパティが表示され、「[0000000300] 署名 太郎 株式会社マイカンパニー [代表取締役]」の文字と、署名の日時「2021/11/08 15:24:03」が見えます。
署名のプロパティ  同じ手順で「バージョン2」の署名のプロパティを見てみましょう。
署名のプロパティ  「[0000000631] 外部 太郎 ガイブ株式会社 [代表取締役]」の文字と、署名の日時「2021/11/09 12:25:04」が見えます。


署名者の書式
 「理由:」の欄にある署名者の書式は、次のようになっています。
署名者の書式               ① 署名実行者のユーザーID
              ② 署名者のユーザー名
              ③ 署名者のアカウント名
              ④ 署名者の部署名

 通常であれば、

   「株式会社マイカンパニー 代表取締役 署名 太郎 [0000000300]

と書いた方が分かりやすいと思いますが、理由欄の長さに制限があり、会社名が長くなると名前やユーザーIDがはみ出してしまいます。そこで確実に署名者が分かるように「みんなの電子署名」では、この順番で書き込んでいます。


立会人型
 「みんなの電子署名」は、立会人型と呼ばれる電子署名サービスで、署名者の依頼により、「みんなの電子署名」の運営会社である株式会社ベクターが、株式会社ベクターの証明書を使って署名するという形式になります。このため「理由:」の欄が「(署名者)の依頼で署名」という書き方になっています。


確認結果
 2つの電子署名のプロパティにより、この秘密保持契約は、

株式会社マイカンパニー 代表取締役 署名 太郎さんが 2021/11/08 15:24:03に
ガイブ株式会社 代表取締役 外部 太郎さんが 2021/11/09 12:25:04に
署名したことが確認できました。この契約を結んだ両社の代表者の電子署名があるので、この秘密保持契約は問題なく締結されています。


時間のずれ
 実は「みんなの電子署名」の文書情報にある「株式会社マイカンパニー 代表取締役 署名 太郎さん」の署名時間と、PDFファイルにある署名時間には、ずれがあります。

「みんなの電子署名」の文書情報
文書情報の署名時間 PDFファイルの署名のプロパティ
PDFファイルの署名時間
「みんなの電子署名」の文書情報での署名日時 2021/11/08 15:23
 PDF ファイルの署名プロパティでの署名日時 2021/11/08 15:24:03
と約1分ずれています。

 これは「みんなの電子署名」の文書情報には、署名 太郎さんが「みんなの電子署名」で署名ボタンを押した日時が記録されているのに対して、PDFファイルの署名プロパティには、実際にPDFファイルに署名が書き込まれた日時が記録されているためです。
通常でも1分くらいの差が生じますし、「みんなの電子署名」関連サービスの状況によっては、より長い差が生じることがありますが、電子署名の有効性にかかわるものではありません。


 以上が、PDFファイルの電子署名を確認するための方法です。

長期署名

 「みんなの電子署名」では、すべての文書の電子署名で有効期間が約10年ある「長期署名」を採用しています。
「長期署名」とは、電子署名にタイムスタンプを追加することで有効期間を延長する仕組みです。

 「長期署名」が、どう行われているのか「秘密保持契約」で見てみましょう。
 この「秘密保持契約」には、

  1. 電子署名(株式会社マイカンパニー 代表取締役 署名 太郎さん)
  2. 電子署名(ガイブ株式会社 代表取締役 外部 太郎さん)
  3. タイムスタンプ
という3つの署名が付いています。それぞれの有効期間は次の通りです。

電子署名 電子署名の有効期間は、電子署名に用いた電子証明書の有効期間内に限られます。
また電子署名法により、最長でも電子証明書の発行日から5年に限定されています。
タイムスタンプ タイムスタンプの有効期間は約 10 年です。
電子署名に比べタイムスタンプの有効期間を長くできる理由は、
その時々での最新の暗号技術を用いることで、他人が偽造するのを困難にする
特別な方法を利用しているためです。
 それでは「秘密保持契約」を例に、具体的に有効期間を確認してみましょう。
署名パネル  最初の電子署名(株式会社マイカンパニー 代表取締役 署名 太郎さん)の有効期間を確認するために、「バージョン1」の上で右クリックし、「署名のプロパティを表示」を選んでください。
署名のプロパティ  電子署名の有効期間を見るために「署名のプロパティ」の下の方にある「署名者の証明書を表示」ボタンを押します。
証明書ビューア  この電子署名の有効期間が「2022/07/27 12:47:14」までであることが分かります。
 二人目の電子署名(ガイブ株式会社 代表取締役 外部 太郎さん)の有効期間も同じ証明書を使っているので「2022/07/27 12:47:14」となります。
 この2つの電子署名だけだと、有効期間がすぐに切れてしまいますが、3つ目にタイムスタンプを追加することで有効期間を伸ばすことができます。

 タイムスタンプの有効期間を確認するために「バージョン3」の上で右クリックし、「署名のプロパティを表示」を選び、表示された「署名のプロパティ」で「署名者の証明書を表示」ボタンを押してください。
証明書ビューア  タイムスタンプの有効期間が「2032/05/10 09:00:00」と約10年先まであることが分かります。タイムスタンプの付いた文書の電子署名の有効期間は、最後に付加したタイムスタンプで決まるので、この「秘密保持契約」の署名の有効期間は、「2032/05/10 09:00:00」ということになります。
タイムスタンプ
長期署名の更新
 タイムスタンプは、約10年と長い有効期間を持っていますが、いずれ期限がきます。この期限が来る前に、新たにタイムスタンプを追加することで、有効期間を伸ばすことができます。
ライムスタンプ  「みんなの電子署名」に保管された文書は、タイムスタンプの有効期間が切れる前に、自動的に次のタイムスタンプを追加します。これにより「みんなの電子署名」に保管されている限り電子署名文書は、すべて有効な状態が維持されています。